正露丸は服用させないでください
正露丸、実は危険な薬です
 一家にひとつはあるといわれる正露丸は、安全な薬でしょうか?実は危険な薬です。
 正露丸の成分は、クレオソートと言い、木酢液(もくさくえき)とほぼ同様です。成分はフェノール・クレゾールなどですが、これらはいずれも消毒薬として用いられるものです。年配の人は昔よくトイレにクレゾールという茶色のとても臭い消毒薬をまいたことを覚えていることでしょう。
 そもそも、正露丸は昔の日露戦争時に、兵隊が下痢をしないように用いられたことから、ロシア(露)を征するという意味で、征露丸と名づけられたのです。作用は『神経毒』であり、腸の神経を麻痺させて腸の動きを止め下痢をさせないことで、寒さからの下痢対策をして戦わせるためでした。
下痢を止めてはいけないのです
 下痢について言えば、細菌性腸炎(食中毒)やウイルス性腸炎(嘔吐下痢症)での下痢は、原因となる細菌やウイルスを排泄するための下痢ですから、下痢を止めてはいけないのです。どんどん下痢をさせて排泄するための下痢です。ですから、腸の動きを止めて下痢をさせないようにすることは、病気を長引かせることとなります。

 そもそも、クレオソートは、薬学的には「歯に詰め神経を麻痺(まひ)させて、痛みをとるためにのみ用い、粘膜(ねんまく)に付着した場合腐食(ふしょく)することがあるので直ちに洗い流すこと」となっています。これが内服薬になっている訳ですから、一体どうなっているのでしょうか?
   
クレオソートの成分  
 フェノール 14.5%
 クレゾール 16.8%
 グアヤコール 23.8%
 メチルグアヤコール
  (クレオソール)
19.1%
 エチルグアヤコール 6.4%
総称してphenols, phenolic compoundsという
 
 
正露丸を服用し腹痛がひどくなった
 おそらく、ずっと以前から大衆薬として用いられているために、"何をいまさら”ということなのでしょう。今でも正露丸の内服により、「腸壊死(ちょうえし)」・「麻痺性腸閉塞(まひせいちょうへいそく)」などが引き起こされていますが、販売は続いています。特に最近コマーシャルが多くなっていると思いませんか。いつ販売が禁止されるか分かりませんから、それまでに「国民的支持(・・・・・)」を取り付けようということなのでしょうか?

 こんなことを書くことになったのは、正露丸を服用してから腹痛がひどくなったというこどもが数人見られたからです。腹痛は腸の過剰な動きから起こりますから、それを一時的に正露丸で麻痺させてもその後に反動でもっと過剰な動きが起こりますからかえってひどい痛みになるわけです。

 こどもに正露丸は内服させないようにお願いしたいものです。さらに、急性の下痢は体のために下痢状態になっているわけですから無理に止る必要がないことも知っておいてください。
 
かどの三条こども診療所長 奥原賢二
 
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