掲載日:2016年10月18日
 ほっとステーションきぼうは、訪問看護と居宅支援(ケアマネージャー)の事業所で、今年で17年目に入っています。
 昨年春、訪問看護が同行して、お里帰りが実現したエピソードをご紹介したいと思います。
 「まばたき2つ」の声なきお返事だけを支えに、中心静脈栄養・膀胱留置カテーテル、自力での体位変換不可の状況でも、泣き言ひとつ言わずに1年以上介護をがんばってこられたご主人が、私たちに「里帰りに連れていっちゃることはできんじゃろか」と相談されました。1か月前からの入念な準備(主治医許可、ストレッチャーで移動できる車と運転手の手配、同行する複数の看護師、予測されるアクシデントの対応シミュレーションなど)を経て、往復120キロの外出をしました。
 いつもは寝ておられることが多い利用者さんが、その日はほとんど開眼され、ご主人の計画された「芝桜見物、ご実家訪問、ごきょうだいや友人と一緒の舟屋を望む素晴らしい景色の展望台散策」など全てのスケジュールをこなして無事帰宅されました。潮風の中で、ごきょうだいや友人の声かけに涙を浮かべられたり、いつも以上にしっかり「まばたき2つ」のお返事をされるなど、同行した私たちも、「人生とは。人と人のつながりとは。」を考えさせる貴重な体験をしました。
 激動の医療介護情勢の中、訪問看護も厳しい状況にはありますが、どんなことも「できない」と決めつけずになんとかしようと取り組む「きぼう」であり続けられるよう、今後もがんばっていきたいと思います。
ほっとステーションきぼう
所長 荻野千恵子